What's Synchronize ? (1974)
 不特定多数のキーボード,打楽器(Tomtom),
ヴァイオリン奏者のために書かれた作品で、
初演時は Kb.2, Perc6, Vn6 という人数で演奏
された。
 この楽譜はその中の1ページ。全員がこの同
じ楽譜を使用する。同時であることとずれるとい
う事を考えるための材料を実際に音にしてみよう
ということであった。同時に演奏するということと
ずれて演奏するということが同居している。
 上段の数字譜がキーボード・パート、中段が
打楽器奏者のための数字譜、下段がヴァイオ
リン奏者のために書かれている。
 打楽器奏者のパートはシンクロナイズすること
を目指しており、キーボードとヴァイオリンは
ずれることを目指している。しかしこのずれは
打楽器によるビートに規定されている。
 答えを求めるというよりは問題提起のままの
宙吊り状態を提示していると考えていた。

九十九折一番(つづらおり・いちばん)SPAIRAL PATH OF PIANO No.1

ピアノソロのための作品。(1975)
演奏時間不確定。
簡単な演奏のための指示を読まなけ
れば演奏できないが、基本的に音の
長さは自由。譜尾が長く引き伸ばされ
た音はその長さの分だけ鍵盤が押さ
れたままにされ、倍音を聞き取ろうと
いう意図がある。